2009年11月27日

不毛地帯

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 著者 山崎豊子 新潮文庫 全5巻

 ようやく読み終わりました。途中休憩をしてしまったので結局2ヶ月かかりました。「白い巨塔」「沈まぬ太陽」に続き山崎豊子作品は3作目。骨のある社会派小説ゆえ、いずれも読み応えがあり、ストーリーに引き込まれていきます。

 シベリア抑留11年後、帰国を果たした主人公壹岐正が、日本が高度成長する中、世界を股に駆ける商社マンとして活躍する姿を描いています。まだ私自身生まれる少し前からのお話ですが、当時はそうだったんだ、とタイムスリップしながらも、ある意味ビジネスの駆け引きや政治のウラの部分もしっかりと描いていて、十分楽しめる内容です。

 この主人公のモデルは中曽根元首相のブレインで故瀬島龍三さんのようですが、実際伊藤忠商事でどのような活躍をされたのか詳しく知りたいところです。

 主人公が何よりも強い使命感や純粋さを持って仕事をしつつも、ビジネス遂行のためには敢えて身を挺し手を汚さざるを得ない状況に飛び込んでいく姿などは、組織のリーダーとして信頼を得るいい教科書になるかも知れません。一方で、理想と現実に挟まれ心の葛藤が起こる場面は共感するものがあります。

 単に成果を創っていく優秀なビジネスリーダーという側面だけでなく、人間としての生き様も訴える主人公の描き方は、「沈まぬ太陽」の主人公恩地と相通ずるものがあると感じます。

 政治も経済もきれいごとでは済まないことがよくありますが、この主人公のように常に原点に帰り、振り返ることができるならば、取るに足らないつまらぬことに悩んだり、小さなことに思えても実はとても大事なことだと気付くことがあるかも知れませんね。

 後はテレビの放映を見つつ、2度目のおいしさを味わう予定です。もちろん、お勧め度三ツ星です!☆☆☆
posted by つゆ☆チャン at 21:56| Comment(0) | 書評
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